[親愛なるトーベ・ヤンソン様]

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夏休みの読書感想文の候補にどうかと、「ムーミン谷の夏まつり」を借りた。
何か考えさせられたり、気づきがあるような本がいいなと思ったのと、自分が読みたいから、チョイス。
ムーミンシリーズでは割と大変な事が起こる。この本では大きな洪水が起こり、水没しそうな家から脱出して、命からがら流れて来た劇場に移る。
でも、そんな時でもムーミン一家は楽しみを見つけながら過ごしている。
大変な時に大変かどうかを決めるのは自分次第だなと思う。
ピンチの時でも、ムーミンママのようにおおらかでいられたら、もうピンチはピンチではない。
スナフキンの言葉には学びが多いが、この本で心に残ったのは、
「たいせつなのは自分のしたいことを、自分で知ってるってことだよ」
スナフキンのポケットに入りたいと言ったミーへの、何気ないこの言葉にトーベ・ヤンソンさんの伝えたい思いがあると思った。
ミーサという女の子が出てくる。自分の周りには不幸なことばかりが起きると、いつも嘆いている。何かをしない理由を「だって誰も誘ってくれないから」と言って拗ねたり諦めたりしている。
自分で自分を不幸にしているミーサ。幸せは誰かが運んでくれると思っているミーサ。
いつかの私自身に重なって、叱咤したくなるし、愛おしくなる。
最後には、演技をするという自分のしたいことを見つけることができたミーサ。
人生が好転していく予感で終わる。
たいせつなことを思い出させてくれるトーベ・ヤンソンさん、大好きです!

小林