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今週のお当番の日原いずみことまーちゃんです。
前回と今回の間の大きなできごとを思い出すと、長男がアメリカに行ってきた(前回の頃にちょうど出かけていた)ことかと思います。

高校からの派遣で、8日間という短い期間でしたが、彼の人生観に大きな影響を与えてくれるものとなりました。

*ちなみに、我が家は裕福というわけではなく、長男は自分でバイトして貯めたお金で旅費を賄いました。

今も毎日のように、ホストスチューデント(カイル)のことを考えています。遠距離恋愛か!ってくらいに(笑)
あちらの学校でシンガー希望の黒人の女の子が歌ってくれたアメリカ国歌の動画もよく眺めています。

同じ16歳のカイルが向こうでは車を運転できたこと(毎朝学校まで送ってくれたこと)、ホストファミリーの家(ちなみにステップファミリーだったことも良かった)では、男女関係なく料理や家事をやっていて、カイルも当然のように自分が食べた食器を片づけていたこと、どこかに出かける時は、カイルがドアを開けてくれたり、常にエスコートしてくれたこと。そういう人種や性別や年齢を超えたホスピタリティに触れられて、英語の勉強だけではなく、人間について学べたと思います。

ここまでですでに長いのだけど、学校での発表までは公開を控えていた長男の、帰国直後の作文を、長男の許可をもらって紹介します。長いので、興味のある方だけ、良かったら読んでください。

『Heyと言える勇気とPRIDEを』(*学校名の部分は伏せて☆☆とさせてもらいますね)

私がアメリカに行き驚いたことは、日本では浮いている自分が浮いていなかったことだ。私は日本で登校する時に必ずすれ違う人に「おはようございます」とあいさつをしている。しかし返してくれるのは顔見知りのおじいさんやおばあさんだけだ。しかしアメリカは違った。ホストブラザーのカイルはバウジャー高校に通っている。最初の日、彼は私をアーリーカレッジの教室に連れていくためにたくさんの知らない生徒に教室の場所を尋ねてくれた。その時、最初に言っていたワードがHeyだった。私はそれを見てアメリカ人はHeyだけで仲良くなれてすごいなあ。Awesome!と思った。それから私はいろいろな人に話しかけるのにHeyと言っていた。少し失礼かと思ったけれどカイルもやっていたからいいと思い、Heyと話しかけた。日本の人のように無視されたらどうしようという不安も少しあった。するとアメリカ人の生徒たちは無視するどころかHeyと言い返してくれて、さらに☆☆の生徒のようにどうしたの?と聞いてくれた。

私のホストファミリーは出勤が早く、同い年のカイルが学校に送ってくれた。しかしカイルにも彼自身の学校があったため私は他のみんなよりも1時間早く学校に着いていた。私ははっきり言って寂しかった。しかしHeyと言う勇気を持っていろいろな人に話しかけたら、みんなと仲良くなれた。しっかり名前も聞かずに話していたから二日目からは名前が分からなくてとても大変だったし申し訳なかった。インスタグラムのフォロワーもぐんぐん増えたものの今でも誰だかわからない人も多い。そして話している時は日本でいう「すげー!」や「まじ?」というように”cool”, ”awesome”, ”really”という単語ばかり使っていた。それらの単語も教科書に載ってはいたが、それらは本当に一部だったんだなーと実感した。私はこの体験からHeyと言える勇気と“cool”と“yeah”などの軽い語彙さえあればアメリカでは生きていけると思った。

もう一つ、アメリカで驚いたことがある。それはアメリカの家の多くは自分の家に星条旗が飾ってあったことだ。それは一人一人がユナイテッドステイツオブアメリカを誇りに思っているからだと思った。日本の家で日の丸の旗を見るのなんて旗日と呼ばれている祝日と日本が好きすぎて帰化した外国人の家ぐらいだ。アメリカ人は常に自分に誇りをもって他人に媚びることなく生きていると思った。そしてそのように自己肯定感を高められる教育を受けていると思った。現地の教育委員会に表敬訪問に行った時、そこに勤めている人たちがつけていた名札のようなものにToledo Public Schoolの頭文字のTPSの文字とその下に「PROUD」、誇りという文字があった。先生は誇りをもって授業を教え、生徒もまた誇りをもって授業に臨んでいると思った。アメリカの生徒たちと盛り上がった話題の一つである『ドラゴンボール』の登場人物のベジータも「サイヤ人としての誇りが貴様にはないのか」という言葉をよく口にする。私には日本人としての誇りなんて少しもない。一つだけ思えることがあるとすれば、それはドラゴンボールが生まれた国に住んでいるということだけだ。

私はこれらの体験から、自分からコミュニケーションをとろうとする積極性と、もっと自分の国を、自分の学校を、家族を、そして自分自身を誇りに思い、毎日を全力で生きていかなくてはならないと思った。
出発前、PTA会長が「小さい子に話しかけるといい」とみんなにアドバイスをしてくれた。それを実践し、いろんな子に話しかけたらとてもいい体験になった。
素晴らしい体験を与えてくださり、ありがとうございました。
最後にアメリカでいちばん使った単語で締めたいと思います。

“COOL ☆☆!!”