プライベートからパブリックへ

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おはようございます。
台風迫る中、今日は投票日ですね。
私は一昨日、期日前投票に行ってきました

今回のタイトルですが、表現活動もそうだけど、自分自身のプライベートな困りごとなどを、パブリックな意識を持って、世の中に伝える、改善のために動く、ということが、社会をよくする第一歩かなあと思います。それを具体的に政治の場(市議、県議、国会議員、市長などを通して)に持って行くことが市民の政治参加かと思います。
投票も大切な参加方法なので、天候に気をつけて、ぜひぜひお出かけくださいね☆

今日は、天気も悪いし、見合う写真が撮れなくて、引っ張り出してきた、2007年出版の私の2作目『赤土に咲くダリア』です。
今はアマゾンでの古本しか売ってなくて(プレミアついてるのもある(笑))、全国の多くの図書館には入っています。
古本や図書館の本だと帯がついてないので、読んでくださった方でも帯を知らない方もいると思い、紹介させてもらいます。

帯の推薦文候補に私は色んな人を挙げて(椎名林檎、河瀬直美、内田也哉子、寺島しのぶ、オダギリジョーなどw)、当時結婚直後の寺島さんでほぼ決まっていたのに、最終的に出版社の意向で、家族小説の大家でもある直木賞作家の重松清さんになりました。
重松ファンなら大喜びなのに、私は生意気にも、トガった女性が良かったこともあって(なのに当時好きだったオダギリジョーも入れてたわけだが)、不服だったのが本音。

とはいえ、この帯の言葉(誰に対しても書いてくださるわけじゃなくて、小説をゲラの段階で読んでくれてのOK)は、時が経てば経つほど、ありがたみが増しています。
この小説は、バッシングもされました。先に言っておくと不倫場面も出てくるからね。でも、読解力のある人はちゃんと、「人間のいとおしさ」を読み取ってくれる。当時書評欄に大きく載せてくれた産経新聞の記者さんも「愛をこめて」と書いてくださった。

裏表紙の三砂ちづるさんも、『ヒカリめがね』の読者さんはお好きな人もいると思うけど、偶然、もともと好きだったお方に解説を書いていただけました。
中表紙はこんなに鮮やかな、エロさも感じられるマゼンタで、緑色のちょうちょは、本当は最初のラフ案では表表紙の主役になっていたのに、決定版では引っ込んでさみしかったというものです。

唐突に重松さんの帯の話を出したわけでもなく、実は、重松さんのインタビューで印象的だったものに「小説の主人公は、たいてい何か困っている」というのがあり、つまり小説は、その困りごとを解消していく物語だったり、かと思えば救いようのない結末だったりもするけれど、なるほど、その通りだなあと思ったのでした。

そんな意味で、小説家の仕事もきっと、プライベートな着想をパブリックなお話に変換するもので、根底には世の中や人間に向けた大きな愛情があるのだと思います(村上龍さんはかつて小説を書く動機は「怒り」と言っていたけど、それも、愛情ゆえの怒りだと思います)。
「人間のいとおしさ」と評してくださった重松さんもきっと、大きな視点の方なんでしょうね。

とまあ、今週は、長々と的を射てないけど、なんとなく伝わってくれたらいいなあという書き方3本になりました。失礼しました!

来週は、いつもピカピカしてるイメージの「えりこさん」です
台風一過の清々しい秋の空気を期待して、お互い気をつけて過ごしましょう~~

日原いずみ でした