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先日、叔父の法要で父の故郷へ帰った。

叔母が離れの家の中を整理したから
欲しいものがあったらもらってって、と、
子供のころ、いつも泊めてもらっていた離れの部屋に何十年ぶりかで入った。

夏休み、冬休み、春休み、
長い休みがあるたびに、父の故郷へ遊びに行き、
家族4人、父、母、私、弟で泊めてもらっていた懐かしい部屋。

あのころは、もっと広く感じたのに、
昔ながらの部屋は、こじんまりとして小さく感じた。

部屋には、祖母の使っていた本棚があったはず。
その中に父や、亡くなった叔父、叔母が一緒に写っているアルバムが入っていて
もう一度見たいと思っていた。

懐かしい部屋にはもう何も残っていなかった。

叔母に聞いたら、本棚も箪笥も何もかも全部捨ててしまったと。

が～～～～～～～～～～～ん。。。

期待はむなしく崩れ落ちた。

あのアルバム、も一度見たかったなぁ。

まだ小学校に上がったばかりの父が
学生服のポケットをパンパンにふくらまして
叔父叔母と一緒に写っている写真。
みかんをポケットにいっぱい入れてたからこんなに膨らんどるんよ、と、
昔、祖母が教えてくれた写真。

怖い父やけど、かわいいなぁと思った一枚。

あの写真はもう私の頭の中の記憶でしかよみがえることはできないのか。
あ～～～あ。

そう思いながら、何気なく、その部屋から離れの玄関へ通じる襖をガラッと開けた瞬間、
大きな手描きの凧が目に飛び込んできた。

は！？

バラモン凧！！！

近くにいた叔母に聞いてみたが、叔母はその凧の存在を知らなかった。

私も、初めて知った。

祖父や祖母が存命の頃、玄関にかけた凧で、
昔もきっと掛かっていただろうけど
その存在は記憶になかった。
見ていただろうけど気にも留めていなかった。

バラモン凧。
縁起の良い魔除けの凧とされている、長崎の凧。

夫が長崎に転勤し、遊びに行ったとき、初めてバラモン凧の存在を知った。
バラモンって名前も長崎っぽく、赤くて怖い顔が描かれていて面白い形の凧だなと思っていた。
先日遊びに行った夫の長崎のアパートにも小さなバラモン凧がかかっていた。

ほぉ～～～～～～。

見つけた瞬間、
不思議な気がした。

なんでそこにバラモン凧？

今でなかったら
バラモン凧だとは気が付かなかっただろうし、
今だから気づけたんやなぁと思った。

今と昔がつながった感じがした。

絶妙なタイミングの「その時」っていうのがあるんや、って思った。

何十年もの時を超えて、祖父母からメッセージを受け取った気がした。

そんな、こないだの日曜日の出来事。